毛髪の成り立ち
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毛髪について
ここでは毛髪について説明します。
もはや今更感が否めないですが、初めて腰を据えて毛髪について見つめてみる方もいらっしゃるでしょうし、これまで深く考えたことが無い方も、相当の育毛マニアの方も、改めて毛髪について正しく理解しておきましょう。
毛髪のことを正しく理解できれば、正しいケアの仕方もおのずと見えてきます。
毛髪のしくみ
毛髪は爪と同じように皮膚の付属器官で、本質的には皮膚の一部です。
単に皮膚の上に生えているのではなく、皮膚が形を変えて分化したもので、言い替えれば、毛髪は大地に生えている雑草のようなものではなく、大地そのものが形を変えて成長しているようなものと言えます。
発生学的には外胚葉から発生しており、ここから発生しているものには表皮の他に神経系感覚器官、毛、脳髄などがあり、これらは色々と関連を持っています。
毛髪の構造
毛髪は「のり巻き寿司」と同じような構造になっており、外側から中心に向かって次の3層から成っています。
- 毛表皮(キューティクル)
- 皮質(コルテックス)
- 髄質(メデュラ)
■毛表皮(キューティクル)
キューティクルは角化した無色透明の細胞が、根元側から毛先側に向かって鱗片状または屋根瓦状に重なり、内部を保護するように取り巻いています。一枚のウロコ(キューティクル)の長さは80~100ミクロン、厚みは0.5~1ミクロンで、外側から親油性でアルカリに強いエピキューティクル、中間的な性質のエキソキューティクル、一番内側の親水性でアルカリに溶けやすいエンドキューティクルに分かれています。
普通の毛髪は4~8枚のウロコとウロコが重なり合って表皮を形成し、外から見える部分は全体の4分の1前後です。このウロコとウロコの隙間は0.1ミクロン程度で、水蒸気や染毛剤、コールド液、トリートメント剤などはここから入り込んでいきます。水やアルカリを作用させると、内側のエンドキューティクルの方が水やアルカリに親しみやすいのでよく膨れ、バイメタルのように外側に向かってせり出し、キューティクルが開いてきます。外から見えるウロコの模様を紋理といい、発生部位や個人によって異なるため、指紋のように法医学の分野で犯罪捜査に使われます。
一般に紋理は毛先側が細かく、根元側は荒くなっています。また、病気などにかかると細かくなるので、紋理を調べる事によって病気の有無や時期、期間などを見分けることができます。
■皮質(コルテックス)
毛髪の中で一番大切な部分で、角化繊維細胞が麻縄のようにしっかりと詰まっている部分で、毛髪の性質を色々左右したり、パーマや毛染めなどの美容の対象になっています。
■髄質(メデュラ)
毛髪の中心部分で、毛髪によっては無いものや、一本の毛髪でもきちんとあるものや、とぎれとぎれになっているものがあり、空気の泡を含んでおり、普通は年齢とともに太くなりますが、強度は低下していきます。
■毛髪の色(色素・メラニン)
ヒトの毛髪にはメラニン色素が含まれていて、それが毛髪の色を左右しています。また、皮膚の色もメラニン色素が関係しています。毛髪をはじめ皮膚や内臓器官まで身体の至るところにメラニン色素はありますが、毛髪、皮膚、瞳孔など皮膚表面に含まれるメラニン色素は、ヒトの身体を有害な紫外線の害から護るためにつくられています。そのため赤道直下に住む人種は紫外線の害も強いため、髪は縮れ、黒色で、肌も褐色から黒色になっており、北欧などの太陽光線の弱い所に住む人種はメラニン色素が少なく、毛髪は明るい金髪になり、肌は白色になっています。
毛髪の色は毛皮質中に含まれるメラニン色素の量によって決まり、多ければ多いほど日本人のように黒色は濃くなり、メラニン色素含有量が少ないと欧米人のように褐色から茶色、金色、灰色にまで明るくなっていきます。さらに全く無い場合は白髪になってしまいます。
人種によって毛髪の色調が異なるのは、ユウメラニンとフェオメラニンの混合比や、メラニンの量の違いによるためで、完全な遺伝によるもので、その人の持っている遺伝的な形質は後天的には変えることはできません。ちなみに日本人の場合はユウメラニンとフェオメラニンの割合は約20対1であると報告されています。